ライフプラン

ライフプランとは自分や家族が望む人生計画に資金状況を盛り込んだ人生設計図です。結婚や住宅購入、子どもの教育、老後など、人生には大きなお金が必要になる場面が数多くあります。将来のライフイベントと必要なお金を整理し、あらかじめ将来を見通しておくことで、必要な準備がしやすくなり、豊かな人生を送ることができるようになるでしょう。本記事では、ライフプランの基本的な考え方と作り方について解説します。

ライフプランをつくる3つのメリット

1 大きな支出に計画的に備えられる

ライフプランをつくる最大のメリットは、将来の大きな支出を見据えて準備ができるようになることです。例えば、「子どもが小学校に入学するタイミングで住宅を購入したい」「10年後に車を買い替えたい」「子どもを留学させたい」「55歳で早期リタイヤしたい」といった目標があれば、その時期までに必要となる資金を逆算し、計画的に貯蓄や資産形成を進めることができます。あらかじめ準備を進めておくことで、ライフイベントが訪れたときに慌てることなく、理想の暮らしを実現することができるでしょう。

2 家計を見直すきっかけになる

希望のライフプランを実現するためには、現在の収入や支出を把握し、無理のない資金計画を立てることが欠かせません。ライフプランをつくることで希望の未来実現のために現在の無駄を省き、将来のために貯めておくことができるようになります。家計を「節約する」というよりも、「本当に必要な支出にお金を使う」意識を持つことで、無理なく貯蓄できる家計をつくることができます。

3 漠然とした不安を軽減できる

「子どもが私立に進学しても大丈夫かな」「老後資金は足りるだろうか」といった漠然とした不安を抱えている人は少なくありません。ライフプランをつくり、将来の収支や必要資金を見える化することで、不安の正体が明確になり、具体的な対策を考えやすくなります。すべてを計画通りに進めることはなかなか難しいものですが、一度ライフプランをつくっておけば定期的に見直しながら、その時々の状況に合わせて柔軟に修正していくことができます。

ライフプランのかぎを握る人生の3大資金

ライフプランを考える際の「教育資金」「住宅資金」「老後資金」は「人生の3大資金」と言われ、人生の総支出の中で大きなウエイトを占めます。

1 教育資金

教育資金は子どもの進学にかかる費用です。教育資金の最大の特徴は、子どもの年齢から「いつ、いくら必要になるか」というピークがあらかじめ予測できる点です。ただし、金額はすべて国公立に進むか私立を選択するかによって必要額が数倍変わります。さらに毎月の授業料だけでなく、受験料や入学金、制服・教材代、塾代、そして遠方の学校へ進学する場合の一人暮らし費用など、進学時には一気にまとまった資金が必要になるため、どれくらいかかるかをあらかじめ見積もっておき、生活費とは明確に分けて、計画的に先取りして確保しておくことが重要です。

2 住宅資金

住宅資金は、人生で最も大きな買い物の一つです。目先の購入価格や毎月のローン返済額だけに目を奪われがちですが、長期的な視点が欠かせません。マイホームは買って終わりではなく、毎年の固定資産税や都市計画税、将来の外壁や水回りの修繕費、マンションであれば管理費や修繕積立金が一生涯続きます。また賃貸を選択する場合も、更新料や高齢期の家賃支払いなど、長期間にわたり住居費が発生し続けます。「いくら借りられるか」ではなく「いくらなら無理なく返済しながら、他の資金も準備できるか」という視点が鍵を握ります。

3 老後資金

老後資金は、現役引退後の生活費や医療費、介護費などに備えるためのお金です。平均寿命の延伸に伴い、退職後の期間は想像以上に長くなっており、人生100年時代への備えが求められています。日常の食費や光熱費だけでなく、年齢を重ねるごとに増える医療費や、介護状態になったときの施設費用、さらには自宅のリフォーム費用なども想定しておく必要があります。公的年金だけで足りない分を現役時代からいかにしくみを作って準備していくかがポイントです。

人生の三大支出は数千万単位の支出になります。行き当たりばったりではなく早い段階から準備を進めておきましょう。

ライフプランの作り方

STEP1 ライフデザインとライフイベントを整理する

ライフプランづくりは自分や家族がどのような人生を送りたいのかを考えることから始まります。どのような働き方をしたいか、結婚や出産を希望するか、どこに住みたいか、老後はどのように暮らしたいか。こうした理想の将来像を描くことをライフデザインといいます。そのうえで、進学、就職、結婚、出産、住宅購入、退職などのライフイベントを書き出します。ライフイベントは人生の節目であると同時に、大きなお金が必要になるタイミングでもあります。まずは人生の予定表を作るイメージで、将来起こりそうな出来事を時系列で整理してみましょう。

STEP2 ライフイベントにかかる費用を見積もる

ライフイベントを書き出したら、それぞれに必要な費用を見積もります。住宅購入資金、教育費、車の買い替え費用、老後資金など、将来必要になる支出を大まかに試算して、いつまでにいくら必要かを明確にしましょう。完璧な数字を求める必要はありませんが、物価上昇や家族構成の変化なども考慮しながら、余裕を持った金額設定を心掛けましょう。

STEP3 将来の収支と資産残高をシミュレーションする

必要な支出が試算できたら、現在の資産や今後の収支を踏まえて資産残高の推移をシミュレーションします。こうすることで教育費や住宅購入資金、老後資金が準備できるかの見通しをたてることができます。もしもシミュレーションの結果、資産が大きく減少する時期や不足する可能性がある時期が見つかれば、早めに対策を考えることができます。

ライフプランに課題が見つかった場合の対処法

ライフプランの目的は将来を正確に当てることではなく、将来起こりうる課題を事前に発見することにあります。人生で実現したい夢やライフイベントが複数ある場合、予算やタイミングの兼ね合いから、すべてを同時に叶えることは難しいということもあるかもしれません。現状のままでは資金がショートしてしまう、といったライフプラン上の課題が見つかったときは、決して諦めるのではなく、3つのアプローチを組み合わせて解決を図っていきましょう。

1 優先順位の整理

まずは、自分や家族にとって「これだけは譲れない」という最優先事項が何であるかを明確にします。例えば、子どもの教育環境を最優先にするのか、家族が快適に暮らせる住宅購入を優先するのか、あるいは将来の安心のために老後資金の準備を重視するのか。家族全員で価値観を共有し、限られた予算をどこに集中させるかという「選択と集中」を行うことで、お金の使い方の軸が定まります。

2 時期の調整

イベントそのものを諦めるのではなく、実現する時期をずらすことも非常に有効な手段です。住宅の購入時期を2年遅らせて頭金を多く貯める、車の買い替えサイクルを少し伸ばす、といったタイミングの見直しを行うことで、特定の時期に大きな支出が重なるのを防ぐことができます。家計への負担が一番重い時期を平準化させることで、無理のない資金計画へ組み直すことが可能になります。

3 家計改善の実行

プランの変更と並行して、今すぐ始められるのが家計改善による収支の立て直しです。家計改善の方法は3つあります。

・収入を増やす

昇給や転職、副業、働く時間の見直しなどによって収入を増やせないか検討しましょう。収入が増えれば、その分を将来のための資金準備に回すことができます。

・支出を見直す

毎月の固定費(通信費、保険料、サブスクリプションなど)の契約見直しや、変動費の無駄を省くことで、日々の生活水準を大きく落とさずに貯蓄に回せる原資を増やすことができます。家計の体力を引き上げることができれば、当初は諦めかけていたライフイベントであっても、同時に実現できる可能性がぐっと広がります。

・利回りを上げる

預貯金だけでなく資産運用を活用することで、資産形成のスピードを高められる場合があります。長期・積立・分散投資を基本に、自分に合った運用方法を検討しましょう。

ライフプランに課題が見つかったときは、現状の家計やこれからの人生を見直す絶好のチャンスです。「優先順位の整理」「時期の調整」「家計改善」の3つのアプローチを一つずつ実践し、理想の未来を形にしていきましょう。

まとめ

ライフプランは理想の人生を実現するための行動計画です。ライフデザインとライフイベントを整理し、必要な費用を見積もり、将来の収支をシミュレーションすることで、人生のお金の流れが見えてきます。そして、必要に応じて収入を増やす、支出を見直す、資産運用を活用するといった対策を取りながら、計画を定期的に見直していくことが大切です。ライフプランに正解はありません。自分や家族の価値観に合わせて、自分たちらしい人生設計を描いていきましょう。

目次