【火災保険専門スタッフが伝える】新価・再調達価額の意味と時価との違いとは

火災保険を検討していると「新価」や「再調達価格」「時価」という言葉がでてきます。文字からなんとなく意味を想像できそうですが、火災保険に加入する目的そのものにも影響する大事な考え方です。

モノの価値を決める2つの基準

火災保険では、保険をかけるモノに対して、「これは×××円のモノです。」と価値を決める必要があります。これを専門的には「評価」するといいます。モノの価値を判断する基準としては下記2つがあり、どちらで判断するかによって価値が変わってきます。

新価(今と同じモノを、新しく取得するために必要な金額。再調達価額とも言います。)
時価(経年劣化や、使って古くなった分を考慮した金額)

時価は一般的な不動産の固定資産などで採用されているのでイメージしやすいかと思います。時間が経ったりすると、どんどん価値が下がっていきます。50年前に建てた家だと今はほとんど価値が無いことが多いかと思います。新価は、再築するために必要な価値を見るので、古くなったりしても価値が減ったりはしません。50年前に建てた戸建てでも、再築に3000万円必要であれば、3000万円が新価での価値です。

■新価と時価のイメージ

新価で設定するのが主流

新価で適正に評価額と保険金額を設定していれば、いつ事故にあっても再築に必要な金額に備えることができます。時価では価値が減っているので全焼後に再築するには資金が不足するでしょう。住宅用の火災保険は、ほとんど新価を採用しています。ただ、2000年頃より前に加入した場合や、事業用の火災保険では時価基準になっていることも多いので、不安な方は今加入している保険が新価か時価どちらの契約になっているか確認してもらうと良いと思います。

新価も見直しは必要

新価で評価額を設定する場合は「今と同じ建物を、再築するにはいくら必要か」をしっかり確認して、設定していただければと思います。建売住宅等を購入した方などは、誤って設定していることがあります。建売住宅の建築費はかなり安くなっているので、同じ費用で再築出来ない事がほとんどです。また、長期で火災保険に加入した方などは、物価変動などで、以前の評価額と保険金額だと再築費用が不足する状態になっている可能性もあるので、一度確認をしてみてください。

事業用は要確認

事業用の火災保険でさらに言うと、契約する時は新価になっていても、事故時に新価で支払いを受けるためにはいくつか条件が付いている場合があります。条件を満たさないと時価基準に切り替えられてしまうので注意が必要です。この設定は、廃止してる保険会社も多いので2020年の時点ではあまり見かけなくなってきてますが、このケースはお客さんだと分からないので代理店や保険会社に確認してください。

まとめ

火災保険は「今と同じ建物を再築するため」に加入する保険だと思っています。そのためには、再築できるだけのお金を受け取れることが重要です。新価・再調達価額は、まさにこの火災保険に加入する目的にとって必須の考え方です。ノバリでは、2008年から火災保険の比較サイトを運営しています。適切に加入できているか心配な方はお気軽にお問い合わせください。