保険代理店の立場や役割 保険会社との違いとは

生命保険や損害保険に加入しようとするとき、代理店という存在に出会います。商品の説明や見積もりを出してくれますが、どのような立場や役割なのでしょうか。保険会社とは何が違うのか正確に知っている人は少ないかと思います。

ニーズの把握、説明が主な役割

保険業界には、大きく分けると下記3人の登場人物がいます。(正確には人ではないんですが、イメージでとらえてください)

・保険会社
・代理店
・お客さん

保険会社はいわゆるメーカーのような存在です。保険商品を作ったり保険金の支払いを行います。他業種で例えると、電化製品の大手メーカーなどを想像してもらえれば分かりやすいかと思います。

代理店は、各保険会社と「あなたの会社の商品売りますよ」という感じの契約(代理店委託契約といいます)をします。それによって、その会社の保険商品の説明や見積もり提示等をすることができるようになります。これも電化製品で言えば、大手家電量販店や街の電気屋さんなどのようなイメージです。

お客さんは、申込手続きを行うことで、保険会社と保険契約を成立させます。お客さんから見ると、代理店は事務手続きなどの窓口みたいな感じになります。

■保険業界の関係イメージ

本当はもう1人、金融庁さんもいるんですが、今回の話では分かりにくくなるので省略しています。

保険代理店2つの権限

保険代理店は、保険会社と代理店委託契約を結んでいます。その中で、正確に代理店の権限というものが決められています。生命保険と損害保険で異なりますが、下記のようになっています。

生命保険:媒介

生命保険を取り扱う代理店は、媒介という権限を与えられています。「保険会社とお客さんの間を取り持つよ」という感じのイメージです。商品の説明や申込書の書き方を伝える等はできますが、引き受けの可否を判断したり、告知を受け取ったり、契約を成立させることは出来ないです。あくまで、「媒介」です。

そのため、生命保険では申込書類一式を保険会社に送ってから、保険会社が引受けできるかを判断します。だからこそ、申込後に「引受けできない」や「条件付けます」などの回答がきたりします。

損害保険:代理

損害保険を扱う代理店は、代理という権限を与えられています。「保険会社の代わりに、保険の引き受け判断するよ」という感じのイメージです。そのため、商品の説明や申込書の書き方を伝えるだけでなく、告知を受け取ったり契約を成立させることもできます。まさに「代理」です。

そのため、損害保険では申込書一式を代理店に渡せば、契約の確定手続きを代理店が行います(一部保険会社がやるものもあります)。証券は保険会社から送られますが、原則は代理店が契約を締結させる権利も持っているのが損害保険です。(損害保険でも、ネット完結の保険会社などは媒介になっていたりします)

まとめ

業界の外から見ると違いが分かりにくい保険会社と代理店ですが、このようにはっきりとちがった立場と役割を持っています。最近では、代理店は自分の権限をきちんとお客さんに伝えなければいけないルールになっています。お客さん側も、自分の話している相手がどんな立場と役割の人なのかを知っておくと、何か依頼する時に話がしやすいこともあると思います。